ダンスインストラクター

同じ目線で接することを一番に。子どもたちには、ダンスを通して、堂々と自分をアピールできるようになってほしい。

ダンスインストラクター 中山 明子 (なかやま あきこ)

Profile
1979年生まれ。茨城県出身。幼稚園から19歳までバレエを習う。高校卒業後は千葉県・柏市と東京・大崎で整体師としてマッサージ店で勤務。20歳の時にスポーツクラブのダンスインストラクターに。結婚や出産を機に拠点を埼玉県の入間と狭山に移し、スポーツクラブにてエアロビクスやヨガのインストラクターを。幼児や小学生の子どもたちを中心にバレエやチアダンスの指導をしている。

埼玉県でダンスインストラクターとして活動している中山明子さん。バレエやチアダンスを通して、日々、子どもたちに表現する楽しさを伝え続けています。彼女の教室を覗いてみると、先生と生徒が上下の関係ではなく、良い意味で友だちのようで、冗談を言い合ったりふざけたりしていて、子どもたちみんなが本当に楽しそう。ただ、レッスンが始まると一転。緊張感が一気に高まり、中山さんの目つきが、指導者の真剣な眼差しにピリッと変わるのが印象的でした。今回は、子どもたちを教えているレッスン会場で、ダンスのことや子どもたちを指導する時のことなど、中山さんにいろいろな話をお聞きしました。

 

“嫌なことも面倒なことも忘れて没頭できるバレエに、幼い頃からずっとハマっていました。”


―踊りは何歳から始められたのですか?

幼稚園の年中さんからです。友だちがバレエを習うというので、教室に一緒に見学に行って、「自分もやってみたい!」と思ったのが始まりでした。途中で教室は変わるのですが、19歳くらいまで続けましたよ。

―どのようなところが魅力でしたか?

バレエをしている間、踊りのことしか考えられなくなるんです。無になれるといいますか。その没入感が幼心に気持ち良かったんですよね。あとは、バレエ教室が、学校とは別の自分の居場所になっていたのも大きかったですね。学校の友だちとは異なる仲間と週3〜4回会えるので、学校で面倒くさいことや嫌なことがあっても、すぐに忘れられて、救いになっていました。

 

“ダンスインストラクターという職業との出合いも直感でした。”


―高校卒業後はどうされるのですか?

高校生の時にはすでに、バレエの才能に限界を感じていました。バレエ自体は大好きだったのですが、私よりも上手な人をたくさん見てきましたので……。それで、高校卒業後は短大に進学。でもその学校があまりにも退屈で、半年程度で退学しました(笑)。短大を辞めて、きちんと仕事に就かなきゃいけないなと思っている時に出合ったのが、整体師という職業でした。整体師に興味を持ったのは完全に直感です。私、自分のカンを信じるタイプで、今までの人生も直感で選択して後悔したことがなかったので、整体師も「なんかやってみたい!」という心の動きを信じました。

―最初はダンスインストラクターではなく、整体師をされていたんですね。

そうなんです。千葉・柏と東京・大崎にあるマッサージ屋さんで働いていました。大崎で勤務していた頃は、五反田の家賃3万円のアパートに住んでいて、不動産屋さんにも「女性が住むところじゃないですよ」と反対されたのですが、なんだか楽しそうだったので、そこに住んでいました(笑)。ただ、格安物件だったためお風呂がなくて、お風呂に入るために近くのスポーツクラブに入会したんです。せっかく会員になったのだから、エアロビクスのレッスンでも受けてみようと思い、レッスンに参加すると、ある時、インストラクターに間違われたんです。「もしかしたらインストラクターになれるかも!」と、ここでも直感が働きました。それで、整体師を辞めて、エアロビクスの養成学校に通った後に、インストラクターになりました。20歳頃のことです。

―今はどうされているのですか?

主人の仕事の都合や出産などを機に、13年前から拠点を埼玉県の入間と狭山に移してフリーランスのダンスインストラクターとして活動しています。スポーツクラブでは時間契約で会員の方々にエアロビクスやヨガなどを。個人では、幼児・小学生を中心にバレエやチアダンスを教えています。

“自分の子どもやその友達を教えていたら、少しずつ生徒が増えていき、今では80人以上の生徒を教えるようになりました。”


―子どもたちを教え始めたキッカケを教えてください。

近くの集会所がたまたま空いていて、始めはそこで自分の子どもと子どもの友だち数人を遊び半分で教えていた程度だったんですよ。コツコツ続けていくうちに、口コミなどで徐々に生徒が増えていった感じです。今では80人以上の子どもたちを、クラスと曜日分けをして教えています。

“生徒になめられてもいい。子どもたちには「先生見て!」と言わんばかりに、堂々と踊ってほしいんです。”


―80人以上というのはすごいですね。子どもたちを教える上で、意識されていることはありますか?

「先生に見られたくない」と子どもたちが思わないようにしたいんです。間違えてもいいから、「先生、見てください!」と自信を持って、胸を張って踊って、表現してほしいんですよね。それが私の指導スタイルにもなっていると思います。


―大人と子どもで、教え方に違いはありますか?

スポーツクラブで教えている大人の方々に対しては、基本的にレッスンの時間内で、安全に楽しみながらできるプログラムを意識的に組んでいます。要は完結型です。でも、子どもたちには、チアやバレエが上手くなってほしい。でも、それって当然、一朝一夕ではかないません。長期的な目線が必要になってきます。ですから、嫌なことも面倒くさいことも遠回りもさせます。

―面倒なことや遠回りとは、具体的にはどのようなことでしょうか?

開講したばかりの幼児クラスには5人の生徒がいるのですが、やっぱり小学生の子に比べると、集中力が長続きしないんです。で、どうしたらいいだろうかと考えて、1人ひとりを指導することにしました。5人の子どもたちを順番に並ばせ、鏡の前に立たせて、私がマンツーマンで3回教えたら、交代します。鏡の前に立って踊る時間は短いですが、どの子も集中してくれるので、結果的にすごく上手になったんです。でも1人に時間をかけるって、スポーツクラブの60分完結クラスではあり得ないですよね。ただ、子どもたちの成長のために最善の策になるのであれば、どんな方法でも取りたいと思っていますし、子どもを指導するってそういうことだと思うんです。

“「ダンスって楽しい」という感情は大切にしながらも、結果にこだわる指導法も模索していきたいです。”

―子どもたちを指導していて難しい部分はありますか?

やはり、多くの子どもたちを教えていると、運動能力の違いや指導の飲み込みのスピードなど、どうしても差が出てきてしまいます。とくにチアダンスは団体競技なので、その差がダイレクトに影響してしまいます。大会に積極的に参加する前は「ダンスはまだまだだけど、この子には笑顔がある」など、長所を見つけて引き出してあげればいいと思っていたのですが、実際に大会に出ると、そんな甘いものではないと痛感したんです。大会では、全員ができていることが大前提なので……。だから最近は、結果を残すための指導を模索しているところですね。


“へたくそだからこそ、子どもと同じ目線で考え、指導できると思っています。”


ー他に教え方で工夫している部分はありますでしょうか?

そうですね。正直、私自身はへたくそだと思っているんです。でも、へたくそな分、どうやったら上手くなるだろうと考えるチカラはあると思っています。だから先生として、ただ上から教えるのではくて、「先生も上手くなるから、みんなも成長しようね」とさらけ出して、子どもたちと同じ目線に立つようにしています。

うちの娘にも、「子どもたちとお友だちになれるところが良いよね。あと、みんなすごく楽しそうだし」と言われたんです。レッスン中はもちろん真剣なんですけど、やっぱり根底には「子どもたちにダンスやこの教室を楽しんでほしい」という思いがあるので、冗談を言って脱線することも、しょっちゅうあるんですよ(笑)。私が子どもの頃に通っていたバレエ教室が、自分の居場所と感じられたように、私の生徒にも、「ここが自分の居場所」と思ってもらえたら嬉しいですよね。

 

“生徒が大人になって、この教室を手伝ってくれたり、一緒に運営できたら嬉しいですね。”

―今後の目標があればお聞かせください。

以前は自分が踊ることが楽しかったのですが、今は舞台に立って表現したいという欲がほとんどないんです。不思議なんですけどね。それよりは、今までできなかった踊りができるようになっただとか、自信を持って踊れるようになっただとか、子どもたちの成長を見届けていたいですね。

あとは、子どもたちの中には、将来「チアの先生になりたい」と言ってくれる子がいるので、その子どもたちが大人になって、私のレッスンを継いでくれたら良いなと考えていますね。今後は、子どもたちの指導だけでなく、ヨガのレッスンやスポーツクラブの仕事など、パーソナルなことにも、よりチカラを入れていきたいと思っているので、その時には、教え子たちと協力してできたらハッピーだなと思っています。

 

 

 

〈取材・文:寺門常幸(@tera_tsune)/撮影:宇佐美亮(@usamiryo)〉

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